良いお年をお迎えください 5th. - 中島みゆき「Tell Me, Sister」

自分の1年間を振り返るこの、

「良いお年をお迎えください」シリーズ

(なんじゃそりゃ)も、とうとう5年目。

こうなったら10年目まで続けたい。

その頃私は30代も後半。あなおそろしや。

 

とはいえ既にもう上半期のことなど、

憶えてなんかいられないお年頃。

コロナに罹って咳が出続けた3ヶ月とか、

週休0日だった2ヶ月弱とか、

もはやおとぎばなしの領域と化しております。

 

 

 

さて、そんな私の印象に残る今年の出来事は

昨月の高校学年同窓会でしょうか。

連絡を取り合う同級生が0人となってから

かれこれ5年以上経っており、

同窓会にも一度も出席してこなかったので

それこそ5年ぶり、10年ぶりの再会。

私としては、どんだけ変わっただろうかと

その変貌ぶり(主にオジサン化)を垣間見たく

勇んで出かけて行ったわけですけれども、

なんだかみんなあまり変わらない。

つまらないので、お仕事何してるの?と

問われるたびに、

「しがないSEをやっております。"昼は"。」と、

え、夜があるの??と強制的に尋ね返させ、

ゲイバー入り始めて6年目になってしまったわと、

方々に衝撃を撒き散らして参りました。

 

この同窓会には、私が青春を捧げた

初恋の相手も出席しておりました。

卒業して2年ほどは会っていたのですが、

確か彼が留学する時、私には教えてくれず

人づてにそのことを知ったことで、

こちらから連絡をし辛く感じてしまい、

一方向こうからも連絡がないまま、

私が格安SIMに変えたことでアドレスが変わり、

かつ何故かその時に電話帳が吹っ飛んで、

そのまま縁が切れていました。

 

久しぶりに会った彼は見た目も変わらないうえ、

こちらの言葉に対して常に

まっすぐに受け止めて咀嚼したうえで

丁寧にコメントを返してくれる、という

会話の仕方も全く変わっておらず、

ちょっぴり当時の気持ちが

蘇ってくるような思いでした。

 

そんなほっこりした気持ちを抱きつつ、

私はあることに気が付きました。

そういえば、私が好きになった人の中で

彼は唯一と言っていいくらい、

人としてバランスの取れた、

まともな人だったということに。

彼より後に私が好きになった人はと言えば、

コミュニケーションが得意ではなく

いつも、優しいお兄さん的な人に

くっついて行動していたような人とか、

本人の友達に「気さくすぎる」あるいは

「連絡不精すぎる。返信しなさい」と

文句を言われているような人とか、

酒の力に頼って人に甘えまくる人とか、

必ず何か引っかかるところのある人ばかり。

 

齢三十一にして、ようやく分析できてきた

自分の恋愛傾向は、己の嫌いな部分を

裏返しにしたような極端な人を好きになる、

というもの。

他人に対してどうしても壁を作ってしまい、

素直に振る舞えなかったり、

踏み込んだり踏み込まれたりを避ける自分を

変えたくても変えられず、

その対極にいるような人に、

憧れるように熱を上げてきました。

 

初恋の彼は素直で気の良い人だけれど、

そういう意味では自分の恋愛傾向から

少し外れているような。

あぁそうか。私は小さいころから、

憂いてばかりいたのは変わらないし、

自己嫌悪もしていたとは思うのだけれど、

自分の嫌いな部分を強く意識するようになったのは

ちょうど大学生になったあたりからだった。

そのことを思い出しました。

 

私は妄想が好きで、よく頭の中で

他人とべらべら喋ったりしているのですが、

大学生になってから急に始めた妄想に、

「自分に致命傷を与える」というものがあります。

当初から続いていて一番多いのが、

自分の心臓を突き刺すやり方で、

四方八方から串刺しにしたり、

太い杭のようなものへ落ちて刺さったり、

あと少年漫画っぽいですが、

素手で胸のあたりに手を入れて、

心臓を引きちぎるとかもあります。謎。

あとは首を落とす殺し方も多くて、

ギロチンとか、居合切り(何故)とか。

あと、よくわからないけど吹っ飛んで

骨が粉砕するほど壁に叩きつけられるとか

マイナーなところでは、勢いよく迫りくる双璧に

押しつぶされる、なんてのもあります。

 

ちょうど今その時にやってしまったことで

自己嫌悪に陥ってもそういう妄想をするし、

過去のフラッシュバックで自己嫌悪しても

やります。数えたことはないのですが、

全くやらない日は週に2, 3日くらいか、

昔は覚えてませんが、最近はそんなペースで

ここ十数年ずーっと続けてきました。

続けたというか、続いたというか。

 

 

 

ところで、私は10月から、

ピラティスという趣味を新たに始めました。

声楽をやっていて、いまひとつ声が

背中の方に響かないと感じたことをきっかけに、

母親がこの3年間続けている、

ピラティスに目が向きました。

始める直前までの彼女は本当に不調で、

腰もしょっちゅう痛めて寝込んでいましたが、

今や年に1~2回、軽く(当時と比べれば)

痛める程度。実績は十分でした。

身体の歪み、硬さが声に悪影響を

与えていそうなふしはあったし、

声楽を除いても、頭痛持ちだったりもするし、

身体の改善は望んではいつつも、

良いと思っていた整体も結局効果は一時的で、

より良い整体師探しを検討しつつ、

なかなか着手できていなかった状況でした。

 

母と同じ、腕利きのエデュケーターさんに

今は月2回マンツーマンで診てもらっており、

その解剖学的な知識量と他人の身体に対する感度に

毎度感服しながら通っているのですが、

さきの同窓会の日もピラティスに行きました。

その時は特段は言われなかったのですが、

その次の回で、前回すごく硬くなってたねと

言われて、同窓会の緊張ですかねぇ、と。

実際身体を触って診てもらいながらの会話で、

「同窓会ってそんなに緊張したりする?」

「いやぁ、僕学校っていうものがそもそも嫌いで」

と話したところで、エデュケーターさんに、

「今、学校が嫌いって言った瞬間に、

 (胸とお腹の中間あたりが)柔らかくなったよ。

 TPOあるけど、言いたいこと言うの大事。」

と指摘されました。

そんなことある!?と驚きましたが、

そうかそうか、

よく並べて語られるヨガとピラティスって

ヨガは瞑想で、精神が主軸、

ピラティスはリハビリで、身体が主軸だけど、

結局精神と身体はつながっていて、

どちらからアプローチするかの違いでしか

ないのかもなぁ、なんて、

妙に得心してしまいました。

身体からのアプローチを今後も

続けては行くけれども、

精神の方も同時に変えていかないと、

本当に改善することは難しいんでしょう。

 

 

 

そんなこんなで最近の私は、

いっそ恋は来世にでも期待して、

今は自分を高めるわ、なんて

言いふらしていますけれども、

実際気持ちは過去最高に、とても前向き。

仕事も趣味もめいっぱい時間をかけて学んで、

一つだけじゃない形で力を発揮して、

成果を出していきたいと思えています。

この調子なら例の妄想も、止まるかも。

それによって身体も改善していって、

パフォーマンスが上がって…という好循環を

期待してしまいます。

身に染み付いた、もはや習慣ですから、

一朝一夕とは参りませんでしょうけれども、

頭の中で自分を殺さない、というのを

来年の目標にしてみようか、なんて。

こんなに具体的な目標を

持ったことは初めてかもしれない。

やってやるわよ~!!(唐突なババア)

 

 

 

自分が嫌いだった 何もかも嫌だった

嫌うことで別の自分になれる気分になってた

低い鼻やクセの髪じゃ もしなかったら

一生はどんなにか違うわと憎んだ

~~~

Tell Me, Sister 教えておくれよ

Tell Me, Sister 恵まれたものは何?

Tell Me, Sister 何を真似ればいい?

 

「そのままでいいのに」と

  微笑みだけが残った

 

中島みゆきTell Me, Sister

 

 

この歌、初恋の彼にみゆきさんのアルバムを

紹介して聴いてくれた中で、

好きだな、と言ってくれた歌でした。

「いい歌だよね~」で終わらせずに、

もっと掘り下げる器量が当時の私にあったら

何か違う展開が…ないわね(笑)

 

ではでは皆様、良いお年をお迎えくださいませ。