声を出さない日本人 - 中島みゆき「ささやかな花」

社会人になってから、

これまで7ヶ国を訪れました。

 

なかなか長い休みは取れないので

行先は近場のアジアばかりでしたが、

昨年9月には初めてアジア圏を出て

シドニーに行き、今年の6月には

アトランタへ、初の海外出張。

 

海外在住経験があるわけでもなく、

経験としてはまだまだ浅いのですが、

今までは気にしたことがなかった

日本人の一つの傾向が、

気になるようになりました。

 

日本人の、は言い過ぎかもしれません。

東京…都心? 都会?

結局、自分がわかっているのは

自分の生活圏内でしかないので、

その中での印象との比較ですが、

「声を出さない」ということが、

特徴的に感じるのです。

 

 

 

例えば、お店で買い物をしていて、

通路を塞いでいる人がいた時。

混んでいる電車や、

エレベーターから降りる時。

 

海外では、動いてもらわなくても

なんとか通れるかな、という時にも、

Excuse me.

と声をかける印象があります。

 

翻って日本では、基本的に無言。

かなり狭くてもそのまま通ろうとして、

それに気が付いた人が避ける、

または少し押されて避ける、というのが

よく見られる光景だと思っています。

 

この間は、スーパーで、

中国人と思しき人が

Excuse me.と声をかけていましたが、

かけられた日本人2人組は、

なんたなんだ?という表情で

見ていました。

ちょっとだけ通りにくかったから

声をかけたのだということは、

最後まで気付いていなかったかも。

 

結果的に袖すり合うとしても、

事前に声をかけるかどうかで

気分は大分違ってくるように思います。

 

自分も、もともと声を出さない方でしたが、

少しずつ、意識的に、

はっきりと声をかけるようにしてます。

 

お年寄りには席を譲りましょうとか、

いろいろなマナーが日本にも存在しますが、

「声を掛けましょう」的なマナーって、

あんまり見かけないように思います。

 

 

 

黙っているのが良い時も、

もちろん場面場面ではあると思いますが、

きちんと主張するのが適切な時は

ちゃんと声を出さないと、

一部の、お構いなしに声の大きい人たちに

いろいろなものを奪われてしまいます。

 

例えば、今日のように。

 

 

 

小学校から高校まで、

いわゆる「生徒」と呼ばれる時期に

もっとも聞かされた注意って、

 

「静かにしてください」

 

であって、

 

「話を聞きなさい」

 

ではなかったなぁ、なんてことも

思い出しつつ。

暗示をかけられてしまっているのなら、

そこから解放されてほしい。

 

 

いまに限らず遠い昔から

目立つ話が正論で残る

声を荒らげて人は我を通す

黙る人は置き去られる

 

ささやかな花 踏まれるな

気弱な花 折られるな

ささやかな花 傷つくな

気弱な花 傷つくな

 

中島みゆき「ささやかな花」