良いお年をお迎えください。 - 中島みゆき「愛から遠く離れて」

昔から占いは信じる方で、

今は水晶玉子さんのオリエンタル占いを

かなり参考にして過ごしています。

 

この占いは、

生年月日によって全27宿に分けられ、

基本的な性格や、年ごとの運勢がわかります。

書籍を買うと、その年の大きな運勢の流れから、

月単位、一日単位の

メッセージまで書かれています。

 

私の分類は、優等生風だけど

その実、ラフで楽しいこと好きとのこと。

まぁそれはどうでもよくて、

2018年12月30日、昨日のメッセージ。

「縁が復活。来年以降も続く関係性に」

と書かれていました。

彼氏もいないし、友達も多くはない私としては

やはり、ちょっぴり期待してしまいます。

 

 

 

昨日はそれなりに忙しない一日でしたが、

スキマの時間でなんとなく、

ゲイアプリのマッチング機能を使って

「イケる」「イケない」の

花占いを始めました。

 

すると2人目に、

4年ほど前、やはりアプリで出会って、

心身ともに憔悴し切るような

片想いをした相手が飛び出してきたのです。

 

そうと分かった瞬間、

懐かしい痛みが胸を襲いました。

相変わらず、海外旅行に積極的なようで、

写真の様子を見るに、恐らく彼氏の撮影。

まだ続いているんだなぁ。なんて。

 

 

 

ここで、先ほどの占いが頭をよぎります。

 

 

縁が復活。

 

 

続く関係性。

 

 

よりによってこれなのか。

私の中では、

 

「もう適当なことを言われてもされても

取り乱さないくらい心の距離を作れる」

 

という希望的観測と、

 

「また底なし沼をもがく日々を

招いてしまうのではないか」

 

という恐怖心が闘います。

目覚ましいほどの愚か者です。

 

 

 

さて、希望的観測はひとまずの勝利をみて、

しかしメッセージなど送れるわけもなく、

YES」ボタンを押して、

スマホを閉じました。

相手がマッチング機能を開けば、

割かしすぐ出てくる仕様ですから、

目には触れるだろうと。

 

しかしそれからというもの、

気にしていないつもりでも、

どうしても無駄にスマホを開いてしまう。

反応が来ていやしないだろうか。

相手はまだログインしていないのだろうか。

 

 

 

気持ちの良いほどにダメな傾向が

黄泉帰っていることに気付いた私は、

二度の心の抵抗を経て、

彼のアカウントをブロックすることに

成功いたしました。

 

すると続いてやってくるのは、

哀しみのような後悔のような、

なんとも言えない陰鬱さ。

でも逆説的に、きちんとブロックできて

良かった…という思いも重なる。

 

 

 

何が言いたいかというと、悲しいかな、

結局今年も私はひとり上手だったということ。

来年はもう少し、利口になりたいものです。

 

 

 

引きずる失恋というものは、

一種の消耗戦でありまして。

想いが冷めてしまうまでを

なんとかやり過ごすもの。

初恋(高校生の方)も、

堪えに堪えたという感じでしたが、

当時の私は既に、

「愛から遠く離れて」という

中島みゆき製の頼もしい武器を

手に入れておりました。

 

本来は夜会のために書き下ろされた曲で、

主人公が送られた結核療養所のテーマ。

世間から隔絶された療養所では

時の流れが止まっており、

来ることの無い船出の日、

つまり療養所を出られる日を

待ち続けている。

そんな感じの歌です。

 

一方で、夜会のストーリーから離れて

この曲を聴くと、

やっぱりしっかり失恋の歌。

当時高校生の私はこの歌を聴きながら、

 

「なるほど、早く忘れようと思うと、

 あれからどれだけ月日が経ったか気にして

 余計に焦ってしまうから、

 やめた方が良いのだな。

 思い出してしまうのは仕方ないから、

 とにかく、自分が素敵でいようと

 することが大事なんだな。」

 

なんて思ったものです。

いまだに、この歌に救われる日々です。

 

 

 

さてさて今年は、

善悪センサーが麻痺してしまうほどに

世の中に汚いニュースが溢れた一年でした。

対立の断裂も、そこかしこに顕現し、

耳を塞がずには居られないことばかり。

 

愛とはほど遠い、エゴやプライドが

世を埋め尽くすなか。

できることはやはり、

「一番好きな私でい」続けることでしょう、

なんて、無理やり今回の曲にこじつけて

年忘れとさせていただければと思います。

 

それでは皆様、良いお年をお迎えください。

 

 

一番好きな服を着て

一番好きな私でいよう

いつか或る日思いがけず

船が出るかもしれないから

 

愛から遥か遠く 離れて生きる時は

時計を海に捨てに行こう

永遠のリフレインに

 

中島みゆき

「愛から遠く離れて」