5. やっぱりブログが好き -気付いたら、ゲイだった

さてさて、小学生のうちは、

無邪気にエロだけ追いかけて

キーボードを叩く日々だったわけですが、

そんな検索を続ける中で、

気になるブログを発見します。

 

ponpokoのひとりごと」

 

ほらそこ!

ぽんぽこ狸体形が好きなだけでしょ、

という図星な突っ込みはご法度ですよ!

 

発見したのは、たぶん中学2年生の頃。

2005年、ということになると思います。

きっかけは、

めちゃくちゃハマったゲイビデオの紹介記事が

検索でヒットしたことでした。

桜庭勇次とだけ、

ここには記しておきましょう。(笑)

 

ゲイビデオを扱った記事は、

そのブログの中では珍しい部類で、

基本的には日常を、

たいていは写真を一枚添えて綴ったような、

当時のゲイブログとしては

よくあるものだったと思います。

ただ運の良かったことに、

このたまたま見つけたブログが、

とても面白かったのです。

 

なかなか進展しない、あるいは喧嘩中の

イカップルのところへ呼ばれては、

「泉川ピンポコ出動!」とか言って

見事にくっつけてしまう、

面白おかしきピンポコシリーズ。

かと思えば、

花粉症で眼が辛いとか(涙目写真付き)、

エビオス錠を飲んだら噂通り

○○が増えたとか(調べなくてよい)、

そんな大したことない(失礼)内容も、

語り口が朗らかで。

 

辛い過去が垣間見える記事もありました。

亡くなってしまった元相方のお墓の前で、

「顔をだんだん思い出せなくなっている」ことに

傘を差しながら涙を流し、住職さんに

優しい言葉をもらったこと。

 

昔好かれた人に、包丁でお腹を刺されたこと。

 

それらの記事がバランスよく、

ほぼ毎日に近いペースで更新されていくのを、

次第に僕も、毎日チェックするようになりました。

ほとんどエロしか存在しなかった

僕のゲイの世界に、実在する人間としての

「ゲイ」が立ち現れたのです。

 

ちょうどこの頃の僕というのは、

現実的にゲイとして生きることに直面し、

どうやって生きていったらいいんだろう、

どこへ行っても、会社に勤めることになっても、

ずっと隠して生きていくしかないんだろうか、

そんなことできるんだろうか、と、

大きな不安を抱え始めたころでした。

自分はゲイで、男が好きで、ということは、

実感をもって充分理解していたわけですが、

ゲイとして生きるとはどういうことなのか、

モデルが見つからないために、

全く想像できていなかったのですね。

どこにいても、街を歩いていても、

どうして生きてゆくべきか、

果てのない問いに対し何の答えも出せず、

ただ頭だけがグルグル回っていました。

 

 

そこへ現れた泉川ピンポコ、

もといponpokoさんは、

普通にゲイとして生きる、

ということのモデルとして、

「普通に生きれば良いのだ」

「面白おかしく生きることができるのだ」

ということを、

身をもって示してくれる存在でした。

彼がブログで顔出しをしていて、

自分の写真を積極的に上げていたのも、

かなり大きな意味があったと思います。

ハーネスを着けた写真とかも

たまに上げられてましたけど(笑)、

彼の笑顔は本当に素敵でした。

多分誰が見ても、笑顔が良い、

人懐っこいと思うんじゃないかというくらい。

ゲイとして生きていても、

あんなに素敵な笑顔ができる。

5年ほどponpokoさんのブログを

読み続けながら、将来への不安は、

少しずつ払拭されていったのでした。

 

※ちなみに今検索すると、

 ひそかに再始動と書かれつつも、

 記事はすべて消されてしまっています。

 もちろんその前の元祖(?)の

 記事もまったく残っていません。

 ponpokoさんの情報には

 たどり着くことはできないはずなので、

 今は削除されている記事の内容についても

 記憶を元にある程度細かいことまで

 許可を取らずに記載していますが、

 何か突き止めるようなことは

 しないようにお願いします。

 

 

もう一つ、ブログではないですが、

大きな役割を果たしてくれたのが、

歌川たいじさんが初代ガイドをしていた、

All About の同性愛コーナーでした。

当時の記事は残っていないようですが、

雰囲気は、現在の歌川さんのブログ、

「♂♂ ゲイです、ほぼ夫婦です」に

引き継がれています。

 

二丁目とは、ゲイバーとはどんなところなのか。

男同士の恋愛は何が楽しくて、何が大変なのか。

ゲイが全く差別されていない、

フチタンという町へ行ったレポートや、

歴史上の人物で同性愛、少年愛の記録の残る人を

たくさん紹介する記事もありました。

ゲイの基礎知識は全部、

ここで与えてもらったといっても過言ではなく、

ほんとにほんとに、歌川さんには感謝しています。

 

 

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